本研究では、走査型プローブ顕微鏡技術の一種である走査型イオン伝導顕微鏡(SICM)に対して機械学習を利用して特徴空間フィルタを設計・実装し、SICM 計測の信号雑音比(SNR)およびデータスループットを改善した。作成したフィルタを用いて信号とノイズの情報を読み取り適切に分類することでSNRを向上することに成功した。特にSNR が低い状況で既存のフィルタ手法に比較して有用であることを実証できた。一方で、分類器を構成するパラメタ調整は現在のモデルでは自由度が高く、最適値を決める手続きが複雑になっている。今後は、こういったパラメタ調整を容易にするアルゴリズムを開発する必要がある。
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