1)ラマン光を効率的に励起するため、ギャップモードによる増強電場を用いる。試料として、銀(Ag)表面上に吸着させた銅フタロシアニン分子やペンタセン分子を取り上げた。金属探針としては、金(Au)コート探針を用いた。2)ラマン光による力を最も高感度に測定できる条件を実験的に検討した。ラマン光による力は、カンチレバーの周波数シフトに現れる変調成分の探針・試料間距離依存性より導出した。3)銅フタロシアニン分子のラマン光の分布を高分解能に観察することを試みたが、信号対雑音比が十分ではなく、明瞭なラマン光の信号は得られていない。信号対雑音比をさらに改善するための方策についての検討が必要とされる。
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