研究課題
マイクロ波力学インダクタンス検出器(MKIDs)は、1本のマイクロ波信号読み出し線に共振周波数の異なるマイクロ波共振器を多数交流結合させた構造を有するため、1本の読み出し線で100個以上のピクセルの信号を同時に読み出せる超伝導検出器である。この検出器では、各ピクセルのデザインの差異により検出器特性のばらつきが生じるが、その主要因はマイクロ波共振器にあると考えられる。そこで、この課題解決のために、本研究では、超伝導マイクロ波共振器にメタマテリアル組み込みについて研究を進めた。2023年度は、2022年度に設計を行ったアナポール型メタマテリアルの作製に向けて実際のデバイス作製を進めたが、作製の実作業に手間取り、デバイス作製には至らなかった。今後、引き続き作業を進めて、実際のデバイスでの検証に繋げていく予定である。一方、並行して進めていた入射量子により発生する基板フォノンを活用する検出器開発について、LNやLT基板で読み出しマイクロ波により励起されるフォノンが基板両面で共鳴するモードを観測し、新たな検出器開発に繋がる知見を見出した。さらに、この知見をメタマテリアル構造と組み合わせることにより、より効率的な量子検出に繋がる可能性があり、それについても今後検討を進めていく。
すべて 2023
すべて 学会発表 (12件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件)