物質の製造時における廃棄物を減らし、欲しい有用物質を選択的に得る、いわゆる環境負荷の軽減を目的とした有機合成手法の開発が急務となっている。こうした社会要請に応えるべく、高機能な触媒の設計開発や新たな戦略に基づく有機合成手法が確立され、多くの有機合成反応の高効率化が図られてきた。研究代表者はこうした高機能触媒の開発のなかでも、医農薬品などの多様化によって需要が高まっている光学活性化合物を効率的かつ選択的に得る不斉触媒反応の開発研究に取り組んできた。本研究は選択的な反応を開発する上で従来の試行錯誤法によらずに、計算科学を活用することで合理的かつ効率的に行う方法論を提供することを目指している。
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