独自のビニルカチオン発生法を駆使したお椀型π共役分子の合成法の開発を目的として、縮環フェナントレンおよびコラヌレン型分子の合成に関する検討を実施した。その結果、ナフタレンテザーを有するアレンインに対して金触媒を作用させると、基質構造と反応条件によって、目的のシクロペンタフェナントレン誘導体に加え、ジベンゾフルオレン誘導体が生成することを見出した。さらに、得られたシクロペンタフェナントレンをベンゾフルオランテンに変換することにも成功した。さらに、ピロール環をテザーとするアレンインを用いた予備的検討においては、アシル基を有するインドール誘導体が中程度の収率で得られることを見出した。
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