研究課題/領域番号 |
22K19034
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 建 (アルブレヒト建) 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (50599561)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 電界触媒反応 / ナノギャップ電極 / 電気二重層 |
研究実績の概要 |
本年度は電界を触媒とする反応を実現するために表面積の大きいナノギャップ電極の作成を試みた。櫛形電極パターンを利用することで大面積化することが目標であるが、まずは電極対が1つで試みることとした。ナノギャップのプレパターンとして10 μmのギャップを持ち6 mm程度の対向長を持つ電極を準備した。ここに電圧を印加しながら金をゆっくりと蒸着することでナノギャップを形成することを目指した。本手法は論文として報告されている手法を参考としているが、ギャップ形成には至らず通電してしまう場合やギャップが広すぎで大きな抵抗値が観測される結果となった。今後は電極基板を取り扱う環境や膜厚モニターの精度などを改善して取り組む必要がある。プレパターンとして準備した金電極のリソグラフィー工程を精査することで電極のエッジ構造をシャープにすることも必要であることが明らかとなった。 電界を触媒とした反応を実現するためのもう1つの手法として電極-電解液界面に生じる電気二重層に着目した研究も行った。ジピリジルテトラジンと2,3-ジヒドロフランのDiels-Alder付加体が異性化(再芳香族化)してアルコールが生成する反応について、電気二重層を形成した電極がある場合には電気二重層がない場合と比べて反応が加速することを見出した。本反応は単分子接合中での電界印加による反応加速は報告されているが、電気二重層のような原理的には大量の反応に適用可能な系で見出されたのは初である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ナノギャップの作成が計画通りに進捗していない。一方で電気二重層を用いる手法については一定の成果が得られたものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きナノギャップ電極の作成を試みる。また、ナノギャップ作成経験のある研究者から指導を受けることも検討する。単分子接合よりも多くの分子を一度に反応可能な系として電気二重層を用いる手法が有望であることが明らかとなったので注力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ナノギャップ作成の進捗が遅く、予定していた電極対の多いプレパターンの作成を行わなかったため、その費用を使用せず翌年度以降に使用することとした。
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