研究課題/領域番号 |
22K19040
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
坂本 良太 東北大学, 理学研究科, 教授 (80453843)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | ジピリン / 亜鉛錯体 / 励起子 |
研究実績の概要 |
配位高分子は、有機配位子と金属イオンを混ぜ合わせるだけで、任意の構造を作ることができる有望なナノ材料である。配位高分子の利点は、その構成要素によって特性を調整できることである。以前、私たちのグループは、1分子鎖に剥離可能で、光電変換や円偏光発光などの光機能性を示すジピリン配位ナノワイヤを開発した。さらに、2種類のジピリナト架橋配位子から配位共重合体を作製した。配位共重合体の光物性を調べたところ、ヘテロ構造や鎖内励起子移動の挙動が明らかになりました。しかし、キレート反応の制御が難しいため、分子鎖内の配位子配列は本質的にランダムであり、励起子移動ダイナミクスの詳細な解析や定量化が困難であった。本研究では、ジピリン配位ナノワイヤーにおける励起子の移動ダイナミクスをより深く理解するために、(ABn)m型コポリマーの繰り返し単位となるエンドキャップ型多核錯体C1N(Nは金属中心の数、N = 1-16)を検討しました。架橋配位子とキャップ配位子、酢酸亜鉛を反応させて多核錯体の混合物を形成し、GPCにより所望の不連続配位鎖を分離した。分光学的な検討により、C1Nの光物性は金属中心の数に依存することが明らかになった。これらの配列の定義により、フォトルミネッセンス現象の理論モデルの構築と簡単な数値計算が可能となり、鎖内励起子移動のダイナミクスを当初の配位共重合体に比べ、より詳細に解明することができた。次年度にはこの成果を論文化する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次年度には論文化の目途が立っている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は論文化を行う予定であるが、ハイインパクトジャーナルへの投稿を予定しているため、アクセプトまで追加実験の要求があることが予想される。これらを一つずつ処理するのに時間がかかることが予想される。
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次年度使用額が生じた理由 |
シミュレーションの精密化が今年度の研究の中心となったため。
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