研究課題/領域番号 |
22K19074
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
青木 裕之 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別教授 (90343235)
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研究分担者 |
山崎 大 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究副主幹 (80391259)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 高分子薄膜 / ナノ構造 / 機械学習 / 斜入射小角散乱 / 超解像顕微鏡 |
研究実績の概要 |
本研究は実空間・逆空間の相補的な構造解析に対して、仮想空間の手法すなわち計算機を用いた機械学習を導入することで新たな情報を見出すことを目的としたものである。本年度においては、中性子による薄膜・界面構造解析手段として、斜入射中性子小角散乱法の開発を行うとともに、ニューラルネットワークによるデータ処理技術の開発を行った。斜入射散乱法の開発については、波長0.2 ー 0.9 nmの中性子ビームに対応した集光型スーパーミラーを新たに開発・作製した。J-PARC物質・生命科学実験施設の中性子反射率系SHARAKUにおいて、その性能を評価したところ、従来の斜入射散乱測定の光学系に対して、およそ20倍の信号強度の増大を達成することができた。秩序構造を有する薄膜状の参照試料を用いて、斜入射中性子小角散乱測定の試験を行ったところ、試料の構造周期に由来するブラッグ回折シグナルを明瞭に観測することができた。一方、機械学習に関しては、逆空間実験の自動解析を実現する手法の開発を進めている。散乱・反射実験での構造解析では、ある構造モデルを仮定した上で実験データに合うようパラメータの調整を見出すことで行われてきた。本研究では、モデルの仮定を行うことなく構造情報を提示する手法を開発している。今年度では畳み込みニューラルネットワークによるディープラーニングを行った。一部の単純な構造については良好な結果を与えるものの、現状ではあまり成功しているとはいえず、さらなる精度向上が求められる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
集光ミラーの導入によって斜入射小角散乱測定に成功し、ディープラーニングによるデータ解析の基盤を確立した。一方で、予定していた機器が導入できなかったこと、預手していた海外施設での実験が施設都合によって翌年に繰越となったため、進捗はやや遅れていると言える。
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今後の研究の推進方策 |
逆空間の実験データから構造を直接同定するニューラルネットワークモデルの最適化を行う。また、超解像顕微鏡によるデータ取得を行い、そのデータも用いた学習モデルを構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった設備品の調達難によって納期の目処がつかず、仕様を再検討の上、代替機器の調達を検討することとなったため。
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