研究実績の概要 |
マムシ亜科ヒメハブ(Ovophis okinavensis)ゲノム解読によりTRPチャネル群の遺伝子構造を明らかにした。ハブの染色体レベルでのゲノム解読も進めて,それぞれの遺伝子について対応するオーソログ遺伝子を同定した。このうちピット器官に関係するTRPA1は,AUGUSTUSでのGene modelでは25エキソンからなることを明らかにした。 また,他のTRPファミリー(TRPV1,TRPV2,TRPV3,TRPV4,TRPM2,TRPM4,TRPM5,TRPM8など)を含めたゲノムでの遺伝子の比較による進化解析において,ハブゲノム解析ではPacBioロングリード(N50長15kb)55Gbを取得しアセンブリを行い、Hi-CとBionano Saphyrのデータを追加して、scaffoldingを行った。その結果、申請書に記載した染色体スケールのアセンブリには成功したが,その後のさらなるmanual curationの結果、高度に遺伝子重複を起こしている領域には、いまだ欠落が存在していることが判明した。 TRPファミリーのトランスクリプトーム 解析により,TRPファミリーのハブ組織での発現プロファイルを明らかにした。TRPA1は,ハブの胎児由来培養細胞にも他に比べて発現していることを明らかにした。AUGUSTUSでのGene modelによる推定配列とは別にTRPA1の実際の機能構造を明らかにした。 ハブTRPA1のAUGUSTUSでのGene modelによる解析データをもとに人工遺伝子を作成し,p426ADH(構成型)とp426GAL(誘導型)の2種類のプラスミドベクターに導入後,ハブTRPA1の酵母での発現系を構築し,発現を検討した。
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