本研究では、固定組織透明化・3Dイメージングにより、任意の時間における空間分布を1細胞解像度で解析し、それらの時空間情報を維持したまま標識細胞の遺伝子発現情報を包括的に解析するための組織化学の確立に取り組んだ。脱脂活性・RNAの保存性・GFP蛍光の保存性が良好な1,2-ヘキサンジオールを用いた透過処理を発見した。また、GFP蛍光を高度に保存するために、-30℃の条件下において透明化可能な低融点脱水溶媒・有機溶媒を開発した。更に、光シート照明型顕微鏡による3Dイメージング後のサンプルに対して、非常に簡便な溶液処理によりパラフィン包埋へとシームレスに接続できる化学処理法を確立した。
|