本研究では、合成糖鎖とガレクチンとの相互作用によるタンパク質の動態制御を生きた細胞で実現することを目的とした。内在化制御に関しては膜タンパク質だけでなく抗体を用いても実施した。抗HER2抗体に対して蛍光プローブを導入したガラクトース末端を有する2分岐9糖を結合し、HER2高発現細胞に添加したところ、ガラクトースに高親和性を持つガレクチン3存在下で内在化が抑制され、補体依存性細胞傷害も向上した。同様にガラクトース末端を有する糖鎖を導入した蛍光標識膜タンパク質が、ガレクチン3により側方拡散が制御されることを、顕微鏡による分子動態形跡により実証した。
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