研究課題/領域番号 |
22K19118
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
加藤 義雄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (20415657)
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研究分担者 |
宮岸 真 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (30323538)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | RNA / 進化分子工学 / リガーゼ / リボザイム |
研究実績の概要 |
RNAワールド仮説では、前生物的な地球環境において、簡単な有機分子群が縮合を繰り返しながら大きな分子種へと変換され、モノマーヌクレオチドが大量に存在し得たという前提に端を発する。現代生物は、リボヌクレオチド三リン酸(NTP)を利用してポリマー化することにより、RNAを生合成している。NTPを基質として利用しポリマー化を促進する反応が、RNA自身によって触媒されるとするならば、自己複製可能なRNAが誕生できるのではないか、というのがNTP型仮説である。実際2001年に、NTPを連続的に縮合していく反応を触媒できるような酵素が人工進化によって作成されてきたことで、このNTP型仮説の実証が近づいてきた。 しかし、前生物的環境において大量に存在し得たRNAモノマーはNTP型ではなく環状リン酸型ヌクレオチドである蓋然性が高いとの推測にもとづき、環状リン酸型のRNAポリメラーゼが存在し得たのではないかと仮説を立てた。この環状リン酸型仮説が成立しうるとすると、環状リン酸型ポリメラーゼ以前に環状リン酸型リガーゼリボザイムが出現し得たと推察される。そこで本研究では進化工学により、環状リン酸型リガーゼリボザイムの取得を試みる。初年度は、3’末端に環状リン酸を有する基質RNAと、5'末端にヒドロキシ基を有するリボザイムRNAを、安定的に調製供給する手法として、いくつかの手法論を検討した。また、初期配列としては微弱なリガーゼ活性を有する既知配列をスキャフォールドとして採用し、変異を導入しながらその効率を向上させる方針で、設計を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画当初から、基質RNAの調製方法と、リボザイムの初期配列の最適化については、検討項目に掲げており、初年度としては概ね順調に検討を進められている。
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今後の研究の推進方策 |
基質RNAの安定供給法について確立した後、リボザイムの初期配列を元にして部分的に変異を導入させたドープトライブラリーを作成し、機能向上させたリボザイム配列の取得を試みる。次年度以降では継続進化可能な実験系を構築することにより、環状リン酸型リガーゼリボザイム配列を高速に獲得することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は基質RNA調製法の検討に費用発生することを見込んでいたが、代替法が見つかったため初年度予算を抑制し、次年度以降に予想される不確実性の高い進化実験の手段を多数するため。
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