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2022 年度 実施状況報告書

<混ぜる>抗体工学 ~二重特異性抗体の効率的な創出法の開発~

研究課題

研究課題/領域番号 22K19119
研究機関国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所

研究代表者

鎌田 春彦  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, プロジェクトリーダー (00324509)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワード抗体
研究実績の概要

本研究では、単純かつ効率的に二重特異性抗体の創出が可能な新しい抗体作製技術を、タンパク質を「混ぜる」という観点から開発することを目的とする。抗体のもつ4つのサブクラスのうち、特定のサブクラスで自然に抗体の長鎖同士が交換反応を起こすIgG4をベースにしたFab-arm exchange技術を応用し、二重特異性抗体の創出を目指す。IgG4は抗体医薬品の中でも、Fc受容体への結合性が低いため、Fc-dependentに起こる生体反応を除去するために応用が進みつつあるが、一般的な抗体医薬品のサブクラスはIgG1であり、このIgG1をベースにFAEが生じる技術の構築を目指す。本年度は、免疫チェックポイント阻害薬のターゲットである、PD-1とPD-L1に対する抗体の二重特異性抗体を作製することを目指した。今後、マウスとヒトの両者で結合可能な二重特異性抗体を作製するために、マウスとヒトにクロスする抗PD1抗体および抗PD-L1抗体を選出した。抗PD-L1抗体、および抗PD-L1抗体として市販されている合計8種類の抗体の、抗原への反応性を検討した。その中で、抗PD-L1抗体として知られるAvelumabは、ヒトとマウスのPD-L1の両者に結合する抗体であることが明らかになり、本抗体を抗PD-L1抗体として選出した。一方で、マウスとヒトの両者に結合するPD1抗体は見つからなかったために、ヒトPD1抗体としては、Cerrelimab、マウスPD1抗体としては、RNP1-14抗体を選出した。各抗体の配列をヒトIgG1をベースにしたキメラ抗体を作製し、現在FAEの条件の最適化を実施しているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

抗体のコンストラクトの作製が終了し、今後FAEを生じる条件の最適化を実施する予定である。また、in vitro, in vivoの実験を実施するためのモデル実験系を構築中であり、順調に研究は進展している。

今後の研究の推進方策

現在実施中のFAEの最適化を進めるとともに、できたFAE技術による二重特異性抗体の活性を評価する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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