• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

新生仔期の呈味刺激による味覚認知回路の質的変化の検出―幼少期の食事は脳を変える?

研究課題

研究課題/領域番号 22K19128
研究機関東京大学

研究代表者

三坂 巧  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40373196)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワード味覚 / 嗜好性
研究実績の概要

小さい頃の食経験は、食べ物の嗜好・忌避に大きな影響を及ぼし、食行動を生涯にわたり左右することが知られている。我々が感じる感覚のうち、味覚と嗅覚は食べ物に関する情報を検出するのに中心的な役割を担っているが、これらの感覚が食経験に応じてどのように変化し、どうやって食行動をコントロールしているのかについては、ほとんど明らかにされていない。そこで本研究では、食べ物の呈味刺激入力に対する生物の適応の様子を、モデル動物であるマウスを用いて、分子・細胞・神経回路・行動レベルで解明することを目的としている。
まず、離乳期のマウスに与える呈味刺激について系統的な探索を実施し、呈味入力依存的な嗜好行動変化が、再現よく得られる刺激条件の精査を行った。味刺激を与えないコントロール群に対し、3日間あるいは7日間、味溶液を与えた群を設定した。各種基本味について代表的な味物質を使用して試行したところ、甘味溶液を3日間あるいは7日間与えたマウスについては、生育後の甘味溶液に対する嗜好性が有意に上昇するという結果を得ることができた。この嗜好性変化については、繰り返しかつ再現性良く確認できたことから、呈味刺激依存的な嗜好性変化の実験モデルの一つとして使用できることが強く示唆された。
また、他の基本味についても、7日間の味刺激によってその後の嗜好性行動が変化する傾向を示すものもあった。これらについては、行動実験モデルとして確立するためには、呈味刺激のプロトコル等について、さらなる精査が必要であると判断している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

食べ物の呈味刺激入力に対する生物の適応の様子をモデル動物を用いて解析する上で重要となる、呈味入力依存的な嗜好行動変化モデルの確立に成功したため。

今後の研究の推進方策

呈味経験依存的な嗜好行動変化が生じた際に、中枢神経回路でどのような変化が生じているかを解析するため、成長後に呈味刺激を与えた直後のマウスについて、腹側被蓋野や扁桃体を経由する腹側前脳経路を対象とした神経細胞活性化の解析を実施し、呈味経験依存的に活動が変化する神経核の同定を行う。この解析により、どのような要因で嗜好行動変化が生じるのかについての知見が得られることが期待される。

次年度使用額が生じた理由

物品費の購入において、少額の残金が生じた。本課題が基金プロジェクトであるため、次年度分の助成金と合算して使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 備考 (2件)

  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/biofunc/

  • [備考] 東京大学農学部 教員カタログ(教員紹介ページ)

    • URL

      https://www.a.u-tokyo.ac.jp/profile/prof-6424734684

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi