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2022 年度 実施状況報告書

植物由来エクソソームを活用した認知症予防の新たな食機能戦略の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K19131
研究機関信州大学

研究代表者

片山 茂  信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (30443922)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワードエクソソーム / 神経保護 / miRNA
研究実績の概要

本研究では、植物細胞から分泌される粒子径150nm程度の膜小胞であるエクソソームが血液脳関門を越えて脳に直接作用すると仮説を立て、認知機能改善に資するエクソソームを植物資源から探索し、エクソソームに内包されるmiRNAを機能実効成分として同定することを目的とした。大豆をターゲットとして、市販の豆乳からエクソソームの単離を試みた。超遠心法により分離し、透過型電子顕微鏡で観察したところ、粒子径150nm前後の球状粒子を確認できた。NanoSight解析により粒子分布を解析したが、画面全体が光ってしまい、測定画面上粒子を捉えることができなかった。この原因として豆乳中の脂質が干渉していることが推測された。
これまでに品種改良ケールからエクソソームの単離に成功していたが、品種改良以外の青汁原料でもエクソソームが同じく単離されるかは不明である。そこで、様々な青汁原料を対象にELNsの単離を試みた。その結果、一般的なケール品種(ハイクロップケール)や大麦若葉でもエクソソームを単離することは可能であった。野菜や果物の搾汁は一般的にブランチング処理(内在酵素の不活性化)が行われる。ハイクロップケールのブランチング処理の有無を比較したところ、ブランチング処理を行わないとエクソソームの粒子数は減少することが示された。すなわち、植物からより多くのエクソソームを得るにはブランチング処理が必要であることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

植物資源からのエクソソーム単離はおおむね問題ないが、夾雑物を除去する必要があるものも存在しており、その修正プロトコルはいまだ検討中である。本研究では、多くの植物資源からのスクリーニングを計画しており、十分なサンプル数を確保できていないことから、進捗状況としては「やや遅れている」と判断した。

今後の研究の推進方策

今後は幅広い植物資源からエクソソームを単離し、順次スクリーニング試験を実施し、候補サンプルの絞り込みを行う。豆乳においては、夾雑物を除去するための前処理を行い、プロトコルの見直しを図る。スクリーニング試験では、神経細胞を使用し、BDNF発現量を指標に検討を進めていく予定である。その後は、エクソソームに内包されるmiRNAの中から、神経保護の作用本体を担うmiRNAを網羅的に探索する。エクソソームから抽出したmiRNAを次世代シーケンスmiRNA-Seq解析(Eurofins社に依頼)に供し、エクソソーム中に含まれるmiRNAを網羅的に解析する。含有量が多いmiRNAから順に合成し(Filgen社に依頼)、BDNF産生量の亢進を指標として神経保護miRNAを特定する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] 植物や乳酸菌に含有する細胞外小胞の皮膚老化予防に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      片山茂
    • 学会等名
      第81回日本栄養・食糧学会中部支部大会
    • 招待講演
  • [学会発表] Cognitive health benefits of bioactive compounds in Japanese food materials2022

    • 著者名/発表者名
      Shigeru Katayama
    • 学会等名
      The 6th International Conference on Food and Health
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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