体内時計が生み出す約24時間の生物リズムは、動物では睡眠や代謝、免疫などの様々な生理機能に観察される。そのため、体内時計を自由に操ることができれば、動物の生産性や疾患の治療といった生命科学の技術イノベーションに直結する。これまでの研究から申請者は、細胞内Ca2+シグナルは、動物、植物、細菌において共通して機能する祖先的な時計因子であることを見出し、細胞内Ca2+振動、すなわちカルシウムクロックが体内時計の本質であるとの考えに至った。本研究では、非興奮性の細胞においても、明瞭な概日性Ca2+リズムが存在することを明らかとなり、概日Ca2+振動の役割に関して普遍的な役割が明らかとなった。
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