グルカゴンはタンパク質特異的に食行動を制御することが明らかになった。また、アミノ酸の中でも必須アミノ酸ではなく、非必須アミノ酸に対する摂取行動を制御する点については興味深い。体で合成できない必須アミノ酸の摂取行動を抑制することは生命の維持において危険である。他方、体の中で合成することのできる非必須アミノ酸の摂取行動抑制は、窒素源であるタンパク質の過剰摂取を制御する上でも理にかなっている。このことから、グルカゴンは単にタンパク質の摂取を制御するだけでなく、これまで明らかになっていない窒素の欲求制御を担うホルモンである可能性が示唆された。
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