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2023 年度 実績報告書

原生生物の捕食圧下におけるバクテリア巨大化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K19153
研究機関広島大学

研究代表者

廣田 隆一  広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (90452614)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワード変異 / 藍藻 / 細胞形態 / 捕食 / 原生生物
研究実績の概要

本研究では、原生生物の捕食圧下において藍藻が劇的な細胞形態変化を生じさせるという現象について、二種類の捕食者-被食者モデルを用いて解析を行い、細胞伸長メカニズム、および微生物生存戦略における意義を解明することを目的としている。先行研究によって観察されていた、捕食圧下における藍藻の形態変化現象の詳細な解析を行い、捕食者と被食者である藍藻それぞれの培養系における増殖および藍藻の形態変化の推移を調べた。また、形態変化を起こした藍藻の形質が安定していることが確認され、遺伝的な変異が関与していることが示されたため、得られた複数の変異株について次世代シークエンサーを用いて変異点の同定を行った。その結果、細胞分裂装置として知られるdivisomeの構成に関わるタンパク質遺伝子や細胞壁の合成、文化に関わるelongasomeと呼ばれる酵素群遺伝子を中心に変異が見出された。また、代表的な変異遺伝子について、単独での遺伝子破壊を行い、直接的な因果関係を証明した。この成果は、淡水性藍藻と海洋性藍藻で共通して確認されたことから、ある種の藍藻に共通した一般性のある現象である可能性が考えられた。
一方、変化した形質が捕食抵抗性に貢献しているかを調べるために、単離した藍藻変異株をあらためて捕食者と共培養し、細胞数の増減を調べた。その結果、伸長した変異株は捕食者が存在する条件においても増殖を示し、一定の捕食抵抗性を示すことが明らかとなった。また、捕食抵抗性を示す細胞の増殖を調べたところ、乾燥菌体重量では野生株に比べ、ほぼ同程度であった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Cell morphology engineering enhances grazing resistance of Synechococcus elongatus PCC 7942 for non-sterile large-scale cultivation2024

    • 著者名/発表者名
      Narumi Toda, Natsuko Inoue-Kashino, Hazaya Fujita, Ryosuke Yoshida, Kaori Nimura-Matsune, Satoru Watanabe, Akio Kuroda, Yasuhiro Kashino, Ryuichi Hirota
    • 雑誌名

      J Biosci Bioeng

      巻: 137 ページ: 245-253

    • DOI

      10.1016/j.jbiosc.2024.01.001

    • 査読あり
  • [学会発表] 捕食圧下における藍藻の形態変化の解析とその応用2023

    • 著者名/発表者名
      戸田 成美、吉田 亮介、渡辺 智、黒田 章夫、廣田 隆一
    • 学会等名
      環境バイオテクノロジー学会 2023年度大会
  • [学会発表] 原生生物の捕食圧下における藍藻の細胞形態変化の解析(1):淡水性藍藻Synechococcus elongatus PCC 7942の場合2023

    • 著者名/発表者名
      戸田成美, 吉田亮介, 渡辺智, 石田丈典, 池田丈, 舟橋久景, 黒田章夫, 廣田隆一
    • 学会等名
      第75回日本生物工学会大会
  • [学会発表] 原生生物の捕食圧下における藍藻の細胞形態変化の解析(2):海洋性藍藻Synechococcus sp. PCC 7002の場合2023

    • 著者名/発表者名
      吉田亮介, 戸田成美, 渡辺智, 池田丈, 石田丈典, 舟橋久景, 黒田章夫, 廣田隆一
    • 学会等名
      第75回日本生物工学会大会
  • [学会発表] 微生物によるリンの酸化還元と生物循環2023

    • 著者名/発表者名
      廣田隆一
    • 学会等名
      第2回リンと生命の起源研究会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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