研究代表者は血管機能の破綻に血管内皮細胞及び平滑筋細胞のマイクロドメインが関与していることを突き止めた。一酸化窒素の産生能が低下する内皮機能の破綻や、Ca2+濃度非依存性の持続的な血管収縮が起きる平滑筋機能の破綻が見られる病的状態では、マイクロドメインがクラスター化して巨大化し、陥入構造が取り込まれる様子を透過型電子顕微鏡により観察した。また、いくつかの食品成分を血管系細胞にプレインキュベートさせ、病的状態を人工的に作り出すと、マイクロドメインのクラスター化が起こらなかった。この食品成分が膜との複合体形成において特別な構造特性を持つことは、分子シミュレーションによる三次元解析でも明らかにした。
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