研究課題/領域番号 |
22K19191
|
研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
尹 永根 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 主任研究員 (50609708)
|
研究分担者 |
三好 悠太 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 研究員 (60855724)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
キーワード | 光合成 / 篩管 / 転流 |
研究実績の概要 |
2023年度は、これまで確立した放射線イメージング技術でトマトの個別の葉から果房内の果実への光合成産物の転流過程と維管束の繋がりを連続的に可視化し、その画像データを参照して茎を通って果実または根に向かう維管束がそれぞれ茎のどの部位に該当するかを推定した。この情報を基に、茎の該当部位に対して幅約3mmの彫刻刀で深さ約3mmの切断傷を与えることで、果房を通り越して根に向かう光合成産物の流れを一時的に遮断する「篩管手術」方法の条件検討を行った。具体的には、まず光合成産物の転流を可視化した後、その流れ道(茎の一部)を切断し、再度転流を可視化することで遮断効果を検証した。切断箇所の検討は、果房を中心に葉と葉の間の茎(節間)の数か所に実施した。その結果、果房を中心にその上下の茎を切断することで果実への転流は減少、果房よりさらに下の葉の節間(茎)の一部を切断することで果実への転流は増加傾向を示した。切断後の茎の傷口(維管束組織)は、約1週間で接着されるが、そこを通る転流の回復は見られなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
想定した放射線イメージング実験の回数(実験配分)が減ったため、当初の予定よりやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、すでに確立したX線CTとPETISによる篩管転流イメージングを組み合わせて、維管束の繋がりの情報取得に加えて茎の切断箇所と手法の検討を進めると同時に、栽培試験を通して果実収量への影響を検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
消耗品類のまとめ買いや実験器具類の自作などで経費の節約につながった。引き続き消耗品費として使用する予定である。
|