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2023 年度 実施状況報告書

石油産生微細藻Botryococcus brauniiの形質転換法確立への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 22K19199
研究機関東京大学

研究代表者

岡田 茂  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00224014)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワードBotryococcus braunii / 炭化水素 / 緑藻 / 形質転換 / パーティクルガン
研究実績の概要

微細緑藻Botryococcus brauniiは、乾燥重量の数十パーセントにも及ぶ大量の液状炭化水素を生産し、細胞外に分泌するため、バイオ燃料源として有望視されているが、現在のところ、外来遺伝子・タンパク質の導入技術が確立されていないため、本藻種自身における遺伝子機能の同定等ができない状況にある。そこで本研究では本藻種に対する信頼性の高い形質転換技術を確立し、炭化水素生産・分泌に関する基礎および応用研究を飛躍的に前進させることを目的とする。
今年度は昨年度に引き続き、細胞壁あるいは群体表面に外来遺伝子の導入を阻む構造的な障壁が少ない藻体を作出し、これに対し外来遺伝子を導入することを検討した。また、形質転換体であるかを確認するための選抜マーカーとして、種々の抗生物質耐性遺伝子を利用することから、当該抗生物質の有効濃度の検証を行った。その結果、液体培養では比較的低濃度の抗生物質による生育阻害が見られたが、形質転換体の選抜を行うために用いられる寒天培地上では、より高濃度の抗生物質を用いることが必要であった。
これとは別に、窒素欠乏状態で培養すると、再生能力のあるB. brauniiの単細胞が効率良く得られるという報告があったことから、その情報を参考にShowa株の単細胞の回収を試みた。しかしながら、多少の単細胞は遊離するものの、その効率は高くなかった。これは株による違いによるものと考えられるため、所有している他株についても引き続き検討を行い、単細胞が効率良く得られた株につき遺伝子導入を行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

パーティクルガンによる遺伝子導入実験を担当していた研究員が、家庭の事情でプロジェクトから離脱していた時期があり、実験の進捗が若干遅れ気味である。現在は復帰しており、遅れを取り戻す努力をしている。

今後の研究の推進方策

今年度検討した抗生物質の有効濃度に基づき、引き続き形質転換体の取得を試みていく。また、抗生物質耐性による選抜のみでなく、亜リン酸塩の利用能に基づく選抜も試みる。そのためのプラスミド作製については、外部委託することで加速化する予定である。
さらに低温プラズマ処理したタバコにおいて、外来タンパク質および遺伝子の導入が効率良くなされたという研究成果が、千葉大学と東京工業大学の共同研究で出されたことから、同グループと共同研究を開始し、B. brauniiの細胞でも同手法を試す予定である。

次年度使用額が生じた理由

パーティクルガンによる遺伝子導入実験に遅れを生じたため、形質転換実験に使うプラスミドを作製できなかった。今年度は亜リン酸利用能による選抜を行うためのプラスミドを外注で製作する予定であり、その費用および遺伝子導入実験の消耗品費等として使用予定。

備考

本研究プロジェクトの対象生物であるBotryococcus brauniiの3品種に関するゲノム解析を行い、当該成果をPLOS ONEに掲載した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] Texas A&M大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Texas A&M大学
  • [学会発表] cDNA cloning of phytoene synthase (PSY) from the biofuel producing microalga Botryococcus braunii2024

    • 著者名/発表者名
      Md. Shirajul Islam Sarkar, Akihiro Ninomiya, Shigeru Okada
    • 学会等名
      令和6年度日本水産学会春季大会

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公開日: 2024-12-25  

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