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2023 年度 実施状況報告書

貝殻と高等植物細胞壁の構造複合化 -地球環境負荷低減への挑戦-

研究課題

研究課題/領域番号 22K19208
研究機関京都大学

研究代表者

上高原 浩  京都大学, 農学研究科, 教授 (10293911)

研究分担者 吉永 新  京都大学, 農学研究科, 准教授 (60273489)
金森 主祥  京都大学, 理学研究科, 助教 (60452265)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワードセルロース / 木材 / 表面反応
研究実績の概要

高等植物細胞壁は主にセルロース、ヘミセルロース、リグニンで構成されている。その細胞壁構造を維持しつつ、固体状態の多糖のヒドロキシ基に無機物質を捕捉するための官能基を導入する手法を検討した。
具体的には、蛍光を発するピレン基、選択的な反応性を有するアジド基をグルコースに導入し、ヒドロキシ基と合わせて、3種の官能基を有するグルコース誘導体の合成法を確立した。昨年度行なったろ紙表面へのグルコース誘導体の反応に引き続き、脱リグニン化木材およびセルロース担持QCM-Dセンサー表面へのグルコース誘導体の反応を検討した。
塩基性条件下、ヘキサメチレンジイソシアネートを固体セルロース表面のヒドロキシ基に反応させ、続いて3種の官能基を有するグルコース誘導体を反応させた。脱リグニン木材を用いた場合、細胞壁の二次壁内部が蛍光を発していることから、計画した反応が進行していることが確認できた。紙表面の反応、セルロース担持QCM-Dセンサーを用いたQCM-Dによる反応追跡を行い、表面反応を定量的に評価できる可能性が見出された。明らかとなった適切な反応条件下、オリゴアミノ酸を導入したグルコース誘導体の脱リグニン化木材への反応も行なった。
なお、広島にて2023年9月に開催されたThe 5th International Cellulose Conference (ICC2022+1)ではLiuらが本研究の成果をポスター発表し、ポスター賞を受賞した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

グルコース誘導体の反応性を定量的に評価するために複数の定量法を試みた。セルロースや木材の表面反応を定量的に評価することは難易度が高く、木材加工分野では検討されないことが多いが、本研究にてその端緒として精密な分析手法を開発しつつある。

今後の研究の推進方策

セルロース系材料の表面に、蛍光色素担持グルコース、オリゴアミノ酸担持グルコースを導入することに成功したが、最終年度である2024年度は、無機化合物を担持させ、最終目標とする木材系の無機-有機複合材料の調製および力学物性評価を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度、論文投稿予定であったが投稿が遅れているため、次年度使用額が生じた。次年度は、論文を投稿する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Surface modification of paper with trifunctional glucose derivatives2023

    • 著者名/発表者名
      Zhiyan Liu, Kazuki Sugimura, Arata Yoshinaga, Hiroshi Kamitakahara
    • 学会等名
      The 5th International Cellulose Conference (ICC2022+1)
    • 国際学会
  • [備考] 京都大学大学院農学研究科森林科学専攻複合材料化学分野

    • URL

      http://www.fukugou.kais.kyoto-u.ac.jp

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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