研究課題/領域番号 |
22K19224
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
宗村 広昭 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (90403443)
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研究分担者 |
狩野 旬 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (50375408)
森 也寸志 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (80252899)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 土壌流亡抑制 / 圃場生産性の向上 / 天然ラテックス / 土粒子の団粒化 |
研究実績の概要 |
圃場から水域への土壌流亡(炭素流亡)は世界的環境問題であり過去60年以上の研究蓄積にも拘わらず未解決である.本研究は天然ゴムラテックス(以下,天然ラテックス)の特性・利点(高い凝集能,カーボンニュートラルなど)を生かし問題解決に挑戦する.現状では天然ラテックスによる土壌流出特性や土壌環境変化とそれらの制御に関する研究は殆どない.研究チームは,水文学,土壌物理学,固体化学を専門とし,天然ラテックスによる土壌物理化学特性変化や土壌流亡抑制(炭素貯留)効果を評価する. 令和4年度はタイ2圃場から採取された土壌(Sandy loam,Red clay)とタイ産の天然ラテックスを用いて実験を実施した.輸入した土壌量が限られるため小型の実験装置を構築した.構築した実験装置を用いて,降雨強度20㎜/hと50mm/hの条件下において,表面流出量と浸透量を計測し,天然ラテックス混和の有無および土壌種類の違いによる影響を評価した.その際,時間経過による影響も評価するため,24時間経過後に同一実験を繰り返した. その結果,降雨強度20mm/hの場合,天然ラテックスを土壌に混和することで,表面流出量が減少し,浸透量が増加する傾向が伺えた.特に,Sandy loamでその傾向が顕著に観測された.また24時間経過後に実施した実験においても同様の傾向であった.一方,降雨強度50mm/hの場合では,表面流出量の方が浸透量よりも顕著に大きく,天然ラテックス混和の有無による差異は小さいことが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
土壌および天然ラテックスの輸入,実験装置の開発・改良に時間を要したため.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度も同様に土壌と天然ラテックスをタイより輸入し実験を進める.また,タイ圃場で採取された土壌種類以外の土壌においても天然ラテックスの有用性を評価することで,土粒子団粒化メカニズムの理解を進め,土壌流亡抑制技術の開発に役立てる.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響から,現地調査スケジュールの変更等が生じたため.現在は規制が撤廃されており,遅延分もあわせて研究が遂行できると考えている.
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