研究課題/領域番号 |
22K19227
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安武 大輔 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90516113)
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研究分担者 |
日高 功太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 主任研究員 (80547232)
廣田 知良 九州大学, 農学研究院, 教授 (20343949)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 受粉活動 / 訪花活動 / クロマルハナバチ / イチゴ / 温室 / 環境調節 |
研究実績の概要 |
研究1年目である令和4年度は,ハチの受粉活動の定量的評価法を確立するため,本事業を開始する前から取得している温室におけるハチ全群集の活動を表す巣箱の出入り動態データの解析を進めながら,同時に,人工光イチゴ植物工場の制御環境下において,ハチ全群集の活動を表す巣箱の出入り動態とハチ少数群の受粉活動の動態をモニタリングすることを計画していた. 前者の計画については,巣箱の出入り口(巣門)に光電センサを取り付けてハチの巣の出入回数の自動計測システムを構築した.また,その計測システムの妥当性を検証するとともに,ハチの活動と微気象要素の関係についても解析した.その結果,光電センサで得られた自動計測の値は目視計測の場合と比べて約1割ほど高くなる傾向があるものの,広い観測レンジに対して安定して計測可能であることが示された.次に,高軒高温室で観測された光強度とハチの巣の出入回数の計測値の経日変化を比較すると,光強度のピークは晴天日には正午前後,一方でハチの出入回数のピークは9~11時となる違いが見られたものの,両者には正の相関が確認され,ハチの活動は光環境の影響を受ける可能性が示唆された. 後者の計画については,定点ビデオカメラで群落4ヶ所においてハチ少数群の受粉活動の動態をモニタリングするために定点ネットワークビデオカメラを用いる手法を採用した.人工光植物工場での観測に適したネットワークビデオカメラおよび動画の記録媒体(ハードディスク)の機器を選定し調達した.2022年の冬に機材を人工光植物工場に設置する予定であったが,栽培しているイチゴに病気が蔓延し,満足するデータの入手が困難であると判断した.そのため,令和4年度の観測を延期し,観測は令和5年度の6月から開始する計画に変更している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本事業が開始される前からハチの訪花活動に関するデータの取得を行っていたため,そのデータを解析することでハチの訪花活動と環境要素(とくに光強度)との間には正の相関があることを確認でき,研究を進めることができた.しかしながら,人工光植物工場における定点ビデオカメラを用いた観測については,試験を開始する直前に栽培植物であるイチゴに病気が蔓延し,計画を延期せざるを得ない状況となった.当該計画は,6カ月延期することで目的とするデータは得られる見込みであるが,当初予定していた初年度にデータを得ることができなかったため,研究の進捗を「やや遅れている」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
前年度(令和4年度)にトラブル(人工光植物工場におけるイチゴの病気蔓延)により実施することができなかった観測実験を,令和5年度の早い段階(現時点では6月を予定)で実施する予定である.また,研究2年目(令和5年度)に予定している太陽光植物工場における観測は,予定通り実施する予定である.以上のように必要データを取得して解析を急ぎ,初年度の計画の遅れをなるべく早く取り戻せるように努める.
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次年度使用額が生じた理由 |
前述のように実験計画を延期する事情(人工光植物工場におけるイチゴの病気蔓延)が発生したため,当該年度で当初の計画実施に要する経費を次年度に繰り越した.
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