本研究は、アスパラガス茎抽出物(EAS)による卵子を含む生殖細胞機構の解明を目的とした。EAS添加により(1)成熟、卵割、胚盤胞形成、総細胞数に負の影響を与えず、HSP70遺伝子、タンパク質発現が増加した。(2)暑熱負荷による胚盤胞発生率低下の回復、活性酸素産生の減少、グルタチオンの増加が見られた。(3)ミトコンドリア活性とATP産生、脂肪小滴のサイズを増加させた。(4) 12時間処理で体外受精・培養後の胚盤胞IFNT遺伝子発現増加傾向がみられたが、暑熱負荷単体によるHSP誘導効果促進効果は明確でなかった。(5) EAS構成成分のアスパラプロリン3種はHSP70単体による誘導効果が見られた。
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