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2023 年度 実績報告書

霊長類子宮内膜オルガノイドを用いた人工着床系の開発と着床機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K19247
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

依馬 正次  滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (60359578)

研究分担者 村上 節  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20240666)
辻 俊一郎  滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (30601546)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワード着床 / 胚盤胞 / 子宮
研究実績の概要

着床とは、胚盤胞が子宮壁に接着して浸潤していく過程であり、正常な妊娠の成立に必須である。ヒト着床機構の解明は、不妊・不育や流産の原因解明などの観点から社会的意義が高いものの、ヒトでは侵襲的な研究が許容されないために、生検サンプルや培養レベルの研究が大部分であった。このため、個体・遺伝子レベルの着床研究は主にマウスをモデル動物として推進され、多くの知見が集積してきた。しかし、ヒトとマウスでは、胚盤胞が子宮壁に着床する方向が異なっていること、子宮内膜に接着後形成される胎盤の解剖学的構造や構成する細胞群が大きく異なっており、結果をヒトへ外挿する上での障壁となっていた。ヒト子宮内膜オルガノイドが着床能(=胚受容能)を有するかどうかはヒト胚を用いて評価しなくてはならず、倫理上困難である。そこで本研究では、ヒトに最も近い実験動物であるカニクイザルから樹立された子宮内膜オルガノイドとカニクイザル胚を用いて、胚受容能を有する新規の試験官内着床系を構築することを目的とした。
先ず、ヒト子宮内膜を模倣するヒト子宮内膜オルガノイド(Turco et al., 2017)を先ず再現することを試みたところ、オルガノイドを作製することに成功し、エストラジオール、プロゲステロンなどのホルモン添加によって内膜が肥厚することを確認した。次に、サル子宮サンプルからも子宮内膜オルガノイドを作成し、ホルモンに反応することを確認した。また、RNA-seq解析によって、胚受容能関連遺伝子の発現変化を確認した。さらに、ブラストイドとの反応により、ブラストイドが子宮内膜オルガノイドに接着することを確認した。これらの知見は、不妊の原因や治療法の新規標的の発見に繋がることが期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Similarities and differences in placental development between humans and cynomolgus monkeys2023

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Shoma、Okamura Eiichi、Muto Masanaga、Ema Masatsugu
    • 雑誌名

      Reproductive Medicine and Biology

      巻: 22 ページ: 1-10

    • DOI

      10.1002/rmb2.12522

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Signal regulatory protein alpha is a conserved marker for mouse and rat spermatogonial stem cells2023

    • 著者名/発表者名
      Miyazaki Takehiro、Kanatsu-Shinohara Mito、Ema Masatsugu、Shinohara Takashi
    • 雑誌名

      Biology of Reproduction

      巻: 108 ページ: 682~693

    • DOI

      10.1093/biolre/ioad006

    • 査読あり
  • [学会発表] 試験管内人工着床系開発に向けたカニクイザル着床期子宮内膜オルガノイドの構築2023

    • 著者名/発表者名
      松本翔馬, 小原実穂, 山海直, 依馬正次.
    • 学会等名
      第64回 日本卵子学会学術集会
  • [学会発表] カニクイザル胎盤発生機序の解明2023

    • 著者名/発表者名
      松本翔馬, 依馬正次
    • 学会等名
      第116回 日本繁殖生物学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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