研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では,減数分裂特異的コヒーシンサブユニットを体細胞において薬剤誘導により異所性発現させる系の開発を目指した。その結果,導入した4つの減数分裂特的遺伝子のうち2つの異所性発現が確認できたが,残り2つについてはタンパク質の発現が確認できなかった。また,減数分裂特異的コヒーシンRAD21LとREC8の細胞内の発現量を調べ,第一減数分裂前期の前半まではほぼ等量存在し,両方を合わせると既報の体細胞のコヒーシンの発現量よりも多いことが明らかとなった。
動物生命科学
減数分裂特異的コヒーシンの機能を解析するためには生殖細胞が必要であるが,体細胞で発現系を構築すれば生殖細胞を採取するために使用する実験動物の数を減らすことができる。本研究ではその系の構築までには至らなかったが,部分的に進めることができた。また,これまで減数分裂細胞にコヒーシン分子がどの程度存在するかわかっていなかったが,RAD21L型とREC8型の2種類のコヒーシンが減数分裂の初期の時期にはほぼ等量存在し,合わせると体細胞よりも量的には多いことがわかった。