研究課題/領域番号 |
22K19261
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三上 秀治 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60754976)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 光遺伝学 / ホログラフィ / 高速イメージング / 3Dイメージング |
研究実績の概要 |
本年度は予備的検討として線虫の頭部ニューロン群の高速3D撮像を行い、取得データに対してオフラインで細胞位置の解析を試みるとともに、光操作のための高速光変調の検討を行った。まず、独自開発した高速ライトシート顕微鏡を用いて線虫の頭部神経の撮像を行うため、明視野画像をもとに線虫頭部を視野中心に固定するトラッキングステージを製作し、高速撮像(毎秒50ボリューム)に耐える追従動作を確認した。次に、高速ライトシート顕微鏡の撮像条件を線虫頭部神経にあわせて調整し、自由行動中の線虫の撮像に十分な速度である毎秒50ボリュームの撮像を行った。取得データを各種画像解析ソフトウエアにより解析し、頭部全ニューロンの8割弱にあたる約150個の神経細胞の検出および追跡が可能であることを確認した。また、リアルタイムに特定のニューロン群を選択的に光操作するための光学システムとして、高速な空間光変調器および多光子励起が可能なフェムト秒パルスレーザーを導入し、特定のニューロンにレーザー光を集光・照射する動作の時定数を詳細に検証した。なお、検証のため、照射対象はCMOSカメラで明視野撮像した蛍光ビーズとした。検証の結果、カメラの撮像から集光までの所要時間は90 ms程度であり、自由行動中の線虫であってもリアルタイムに追従しながら集光・照射できる見込みを得た。加えて、一連の処理の各要素に要した時間も確認しており、特に計算処理に要する部分が支配的であることが確認された。この点については、計算アルゴリズムの高速化および計算ハードウエアの変更による大幅な高速化が見込まれており、現状の2D撮像から3D撮像に拡張する場合においてもリアルタイム動作を実現する見通しを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り線虫頭部ニューロン群の高速撮像、解析、および光操作システムの基礎的な検討が進んでおり、順調であるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の検討結果を踏まえ、線虫の神経細胞に対する3D光観察、光操作の一連の動作を実証するとともに、観察結果に対する光操作パターンの検討に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の検討の結果、次年度の研究内容における3D光観察、光操作のリアルタイム動作の検証を当初想定よりも重点的に実施する必要が生じたため。本検証を重点的に進めるために必要な装置構成部品、より具体的には光学部品、機械部品、電気部品や高速計算に用いるGPU等の物品費に充当する。当初の使用計画よりも購入する物品の種類を増やすことで、多角的な検証を行うことを狙う。
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