研究課題/領域番号 |
22K19281
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設) |
研究代表者 |
椎名 伸之 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 准教授 (30332175)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | RNA顆粒 / 天然変性領域 / IDR / eIF3a / 神経活動 / 流動性 / 局所翻訳 |
研究成果の概要 |
脊椎動物の翻訳開始因子eIF3aは、進化の過程でC末端に約400アミノ酸からなる長い天然変性領域(vIDR)を獲得した。このvIDRは、神経RNA顆粒でのeIF3aの流動性を抑制し、神経活動に依存した流動性増加を介して、局所翻訳の制御に関与する。本研究では、vIDRの前半のリピート配列領域(vIDR1)と後半のランダム配列領域(vIDR2)の共通点と相違点を解析した。その結果、vIDRの機能にはアミノ酸組成と長さが重要であり、配列自体は関係ないという当初の仮説とは異なり、vIDR1とvIDR2のリピートとランダムな配列の違いが重要であることが示唆された。
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自由記述の分野 |
分子細胞生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天然変性領域(IDR)は、弱い相互作用を介して液-液相分離し、非膜オルガネラの形成やダイナミクスを制御する。しかし、IDRのアミノ配列は種間で保存性が低く、その配列の重要性については未解明な部分が多い。eIF3aのvIDR1とvIDR2は、アミノ酸組成は類似しているが、リピートとランダムという配列上の相違点がある。本研究で得られたこの2つの領域の配列の違いがvIDRの機能において重要であるという知見は、IDRの配列ルールの解明に向けて重要なものであり、大きな学術的意義を持つ。
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