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2023 年度 実施状況報告書

高速原子間力顕微鏡による電位依存性Na+チャネルの電位依存的活性調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K19290
研究機関金沢大学

研究代表者

角野 歩  金沢大学, ナノ生命科学研究所, 助教 (80717140)

研究分担者 入江 克雅  和歌山県立医科大学, 薬学部, 准教授 (20415087)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワード電位依存性ナトリウムチャネル / 高速原子間力顕微鏡
研究実績の概要

電位依存性ナトリウムチャネルは、生体の活動電位の発生などの極めて重要な生理機能を担う膜タンパク質である。これまでに、電位依存性ナトリウムチャネルの電位センサードメインは、電位依存的な活性化状態によらず、イオンの通り道を形成するポアドメインに常に結合していると考えられてきた。我々は、電位依存性ナトリウムチャネルの常温かつ脂質膜中での構造を明らかにするため、活性化状態の異なる電位依存性ナトリウムチャネルを脂質膜中に再構成して高速原子間力顕微鏡で直接観察し、活性化状態のチャネルでは電位センサードメインがポアドメインに結合しているが、静止状態のチャネルでは両者が解離しており、運動も連動していないことを明らかにした。また、静止状態で解離した電位センサードメインは、ほかのチャネルの電位センサードメインと相互作用して二量体を形成することを発見した。これまでに、電位依存性ナトリウムチャネルは生体内で協同的に活性化することが明らかになっていたが、その協同性の分子機構は明らかになっていなかった。今回発見した、静止状態の電位依存性ナトリウムチャネルにおけるポアドメインから解離した電位センサー間の相互作用は、理論的には生体内の電位依存性チャネルの密度でも頻繁に起きうる相互作用であり、電位依存性ナトリウムチャネルの協同的活性化の分子実態である可能性がある。この発見は、Nature communication誌に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

電位依存性ナトリウムチャネルの構造変化について新たな発見をし、論文掲載が完了したため。

今後の研究の推進方策

高速原子間力顕微鏡の試料基板上で電位を制御できるようにし、野生型のチャネルの電位依存的活性化の構造動態を直接観察する。

次年度使用額が生じた理由

研究代表者の産休および育休のために、最終年度の研究計画が約一年後ろ倒しになったため

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Voltage sensors of a Na+ channel dissociate from the pore domain and form inter-channel dimers in the resting state2023

    • 著者名/発表者名
      Sumino Ayumi、Sumikama Takashi、Shibata Mikihiro、Irie Katsumasa
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 14 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41467-023-43347-3

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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