研究課題/領域番号 |
22K19292
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今村 博臣 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (20422545)
|
研究分担者 |
鈴木 淳 京都大学, 高等研究院, 教授 (30511894)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
キーワード | アポトーシス / ATP / CRISPR/Cas9 |
研究実績の概要 |
本研究では、単一細胞内ATP計測・分離技術とCRISPR/Cas9による遺伝子破壊技術を組み合わせることで、アポトーシス細胞死において細胞内ATP濃度を低下させる新たな因子の探索を目指した。 前年度までに、非常に大きなFRET効率の変化を示す新規のATPバイオセンサー(ATeam5.13)の開発に成功し、それを向上的に発現するPLB細胞(PLB-ATeam5.13細胞)を作製した。この細胞に全ゲノム遺伝子に対応するsgRNAおよびCas9ヌクレアーゼ遺伝子を保持するレンチウイルスを感染させることによって、各細胞につき遺伝子のいずれか1個がノックアウトされたノックアウト細胞ライブラリーを作製した。アポトーシス時のATP減少に関わる分子がノックアウトされた細胞は、野生型細胞に比べてATPの減少速度が大きく低下すると予想された。そこで、ノックアウト細胞ライボラリーに対してアポトーシスを誘導したのち、蛍光セルソーターで個々の細胞のATP濃度を分析し、他の細胞と比べて高い濃度の細胞内ATP濃度を保持している細胞のみを回収した。回収された細胞に導入されていたsgRN配列をPCRによって増幅し、この配列をもつレンチウイルスを作製したのち、再びPLB-ATeam5.13細胞に感染させた。この実験サイクルを繰り返したが、アポトーシスにおいてATP減少が遅延する細胞集団の濃縮は現時点では確認できていない。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していたスクリーニングプロセスまでは進んでいるものの、遺伝子の単離には至っていない。
|
今後の研究の推進方策 |
アポトーシス誘導条件、および用いる細胞について再検討をおこなう。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた遺伝子スクリーニングが完了しなかったため。次年度使用額は、完了できなかった実験を遂行するために使用する予定である。
|