研究課題/領域番号 |
22K19312
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
坂本 竜哉 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (10294480)
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研究分担者 |
永田 晋治 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40345179)
濱田 麻友子 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (40378584)
坂本 浩隆 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (20363971)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 進化 |
研究実績の概要 |
原始的な後口動物、珍無腸動物門が新設された。そのナイカイムチョウウズムシから、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)系とともに、無脊椎動物で初めてグルコ/ミネラルコルチコイド・プロゲステロン・アンドロゲンの受容体族(SR)を同定した。祖先型と思われる。既存のアゴニスト、アンタゴニストが、この共通祖先(?)SRに作用する可能性は低いが、ムチョウウズムシの脂質の粗抽出画分にリガンド活性がみられた。新奇の原始リガンドが存在すると思われる。このリガンドの基のコレステロールを本種も持つが、合成に必要な遺伝子は欠損している。無腸ウズムシでは栄養の光合成産物と同様、体内に共生している藻類により供給されている可能性がある。もしかすると、栄養の利用を統合/中枢制御するために、このグルココルチコイドや、GnRH系の誕生というシンギュラリティの連鎖となったのかもしれない。進化の過程でのシンギュラリティは、共生などで他生物がもたらした?と妄想している。低温で飼育すると、生殖巣の発達が見られ、生殖細胞マーカーである nanos の発現は有意に増加した。この時、SRの発現も有意に増加した。共生藻からの主な供給物であるグルタミンやコレステロールを分解するglutaminase と hormone-sensitive lipase も、有意に増加した。以上の発現の相関から、低温では共生藻から供給される栄養の代謝が活性化することにより、性成熟が進行し、SRは、環境による代謝の変化を制御していると考えられる。これこそが基盤的機能かもしれない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
“ステロイドホルモン系”に加え、GnRH系の検討も行った。また、分担の准教授が栄転したため。
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今後の研究の推進方策 |
質量分析法や NMR により、内因性リガンドを構造決定する。定量系を作るとともに、生合成系を推定する。 機能を推定するため、リガンドとの動態を明らかにする。藻類共生/光走性にフォーカスする。 機能解明のため、同定したリガンドの投与や、SR遺伝子ノックダウンの影響を見出す。
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次年度使用額が生じた理由 |
ソルボンヌ大/ロスコフ研との共同が本格化した。 質量分析法や NMR により、内因性リガンドを構造決定する。定量系を作るとともに、生合成系を推定する。機能を推定するため、リガンドとの動態を明らかにする。藻類共生/光走性にフォーカスする。機能解明のため、同定したリガンドの投与や、SR遺伝子ノックダウンの影響を見出す。
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