本研究では、scRNA-seq解析を用いて減数分裂開始時のメス卵母細胞における遺伝子発現について検討を行った。RBとの相互作用が失われる変異型Stra8遺伝子マウスを作製した。変異型Stra8発現マウスは、RBとの相互作用が失われて、減数分裂への進行に遅延が見られた。さらに変異型Stra8マウスの卵巣では、出生後すぐに原始卵胞の数が早期に減少していることから、卵子がドーマント状態を保てずに出生頃に排除されることが判明した。したがって、STAR8とRBとの相互作用がメス特異的な減数分裂開始に働くこと、さらに減数分裂の開始時に遅延が生じると後の卵子の発生にも影響が及ぼされることが明らかとなった。
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