研究課題/領域番号 |
22K19317
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小幡 史明 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40748539)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
キーワード | Cataglyphis bombycina / Drosophila melanogaster / アミノ酸 / 代謝生理 / 熱耐性 |
研究成果の概要 |
本研究では、高い熱耐性を持つことが知られる砂漠アリCataglyphis bombycinaが、どのように高温下で恒常性を維持しているかを比較生理学的に解明することである。その結果、C. bombycinaは体内中にアミノ酸であるリシンが少ないことが明らかとなった。ショウジョウバエにリシン制限餌を食べさせたところ、オスについてもメスについても熱耐性が増大した。リシン制限餌は熱応答タンパク質の発現誘導には影響せず、またオートファジーにも依存しない機構で熱耐性を増加させた。リシン制限によりショウジョウバエの寿命が延長した。体内リシン量の低下により熱耐性や寿命が高まる可能性が明らかとなった。
|
自由記述の分野 |
栄養代謝生理学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、高温耐性を有する砂漠アリC. bombycinaの特徴的な恒常性維持機構に根ざした代謝生理学的な知見を得る事が出来た。アミノ酸の一つの体内量が高温耐性に関わることはこれまで知られていない新しい発見であると考えられる。また、アリとショウジョウバエなど異なる昆虫間での比較生理学的な解析により、未知の代謝恒常性機構や生物の生存戦略について理解する事が可能となる可能性を示すことができ、理学的な知見を提供するものと考えられる。
|