研究課題/領域番号 |
22K19352
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
西出 雄大 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主任研究員 (50558096)
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研究分担者 |
森山 実 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (30727251)
春本 敏之 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (60727387)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 昆虫免疫 / 液性免疫 / IMD経路 / Toll経路 / 抗菌性タンパク質 |
研究実績の概要 |
昆虫において免疫は液性免疫と細胞性免疫に大別される。液性免疫はIMD経路とToll経路が主要な経路として知られ、これらの経路が働くことで抗菌性タンパク質などの発現亢進が起こり、病原性の細菌などから体を守っている。このIMD経路とToll経路の使い分けに関する研究を行った。つまり、ある系統は抗菌性タンパク質Aの発現をIMDが担い、他の系統は同じ抗菌性タンパク質AでもToll経路によって制御されていることを示す研究を行った。具体的には、IMD経路、またはToll経路の遺伝子をRNAiし、これらの経路を阻害したのちに大腸菌を注射し、抗菌性タンパク質の発現量がどのように変化するのかを見た。その結果、チャバネアオカメムシでは、系統ごとに抗菌性タンパク質の発現量の変化が大きく異なることが分かり、今回、系統数を増やすことで抗菌性タンパク質の発現には個体ごとに異なり、ある個体ではIMD経路、ある個体ではToll経路が司ることを確認した。特に、同じ地点で採集した個体の近交系をいくつか作成し、これらの系統間でも異なることが分かった。このような実験は日本各地の4か所で採集したチャバネアオカメムシで行い、どの地域でも系統間で異なることが分かってきた。以上のことから、仮説の通り、個体によってIMD経路とToll経路の使い分けに差があることが証明できた。以上の結果は論文準備中である。また、この結果をキイロショウジョウバエでも行う予定であったが、こちらはなかなか難しく、あまり研究を進めることが出来なかった。
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