複雑で長い突起を持つ神経細胞では、外部からの入力に機動的に対応するために樹状突起でタンパク質を局所合成するが、局所合成の実体には不明な点が多い。とくに、脳組織内の樹状突起内のどこにmRNAが存在し、翻訳されたタンパク質が樹状突起内のどこに局在するかという情報は、既存の技術では得ることは難しい。本研究では、生体脳内ゲノム編集・分子観察技術を駆使して、脳組織内で内在性のmRNAおよびタンパク質の細胞内局在を同時イメージングする方法を開発した。本研究は、多くの脳内プロセスや機能のメカニズムを転写・翻訳のレベルで統合的に理解するための新たな技術基盤を提供する。
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