研究課題
セカンドメッセンジャーcAMPを合成するオプシンであるbPACを軸索末端局在化タグの開発した。bPACの軸索末端局在化とそれを用いたシナプス小胞の分泌促進に関するデータをまとめ論文を現在投稿中である。また、Ca2+を操作するオプトツールPsChR2を軸索に局在させるタグも開発した。これらのオプシンは青色光励起のため、有芯小胞マーカーchromograninB の挙動をモニターするためにpH感受性緑色蛍光タンパク質を用いるのは励起波長が重複するため、赤色pH感受性蛍光タンパク質pHmScarletを利用するため、初めにシナプス小胞で挙動を確認するため、synaptophysinにpHmScarletを融合したものを作製したが、凝集塊を形成しやすく、シナプス小胞への局在がうまくいかなかった。
2: おおむね順調に進展している
オプシンをシナプス末端に局在させるタグの開発は順調に進み、その成果は現在論文投稿中である。しかしながら有芯小胞の動態をモニターするツールについては完成に至らなかったためおおむね順調に進展しているとした。
1) 前年度に作製した放出機構局在化オプシンをエピトープタグ付きNPYといっしょに PC12などのモデル細胞に発現させ、細胞外に放出されるNPYを計測する系を構築し、オプシンによる有芯小胞の放出制御を検討する。さらに前年度に引き続き有芯小胞放出部位に局在するELKSにオプシンを融合の開発を行う。また、mCherry-mCherry nanobodyよりも親和性が強いALFAタグ-ALFA nanobodyをオプシンとELKSに用いた有芯小胞放出機構への局在化の開発も行う。2) 有芯小胞をモニターする系を確立するためにpHmScarlet以外のpH感受性赤色蛍光タンパク質を用いて有芯小胞のモニターに適したものをスクリーニングにより選定する。有用なpH感受性赤色蛍光タンパク質が見つけられたのちにはchromograninBなどと融合し、有芯小胞の動態がイメージングで観察できるか検討し、オプシンによる有芯小胞の分泌制御を明らかにしていく。また、末梢組織へツールを発現させるためのAAVベクターの開発も並行して進めていく。
2022年度残額は、分子・細胞生物学試薬など2023年度に消耗品として使用。
すべて 2023 2022 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Molecular Brain
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