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2023 年度 実績報告書

新規輸送体の発見に基づく、ビタミンCの体内動態制御機構と生理学的インパクトの追究

研究課題

研究課題/領域番号 22K19369
研究機関東京大学

研究代表者

高田 龍平  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90376468)

研究分担者 豊田 優  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 講師 (80650340)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワードビタミン / トランスポーター / 栄養学 / 生理学 / 脳
研究実績の概要

本研究は、申請者らが世界に先駆けて見出した排出型ビタミンC輸送体の生理的役割の解明を起点として、未だ全容が明らかになっていないビタミンCの体内動態制御機構とその生理学的重要性を紐解くことに挑戦する2年計画である。意外なことに、ビタミンCは生理的に重要な栄養素であるにもかかわらず、その輸送実体の多くは不明なままであり、ビタミンCの体内動態制御機構に関する理解は乏しい。本研究の完成により得られる成果は、栄養学分野のみならず、医学・薬学分野におけるブレイクスルーとなることが期待される。
研究開始年度である昨年度(令和4年度)、研究最終年度である本年度(令和5年度)の成果として、以下の点を明らかにすることができた。
●尿からのビタミンCの再吸収において重要な役割を果たすSodium-dependent Vitamin C Transporter 1 (SVCT1)/SLC23A1が、尿酸輸送体としての生理機能を有する可能性を示すことができた。具体的には、in vitro実験によるSVCT1の尿酸輸送活性の検出、Svct1ノックアウトマウスを用いたin vivo実験による尿からの尿酸の再吸収における寄与の算出、SVCT1によるビタミンC輸送・尿酸輸送への尿酸・ビタミンCの阻害強度や尿からの再吸収の競合の可能性の推定などに成功した。得られた成果は、生体内に豊富に存在する抗酸化物質という共通点を持つビタミンCと尿酸が、体内動態においても共通した制御機構を有することを示すものであった。
●全身に発現するビタミンC輸送体であるSVCT2が、尿酸輸送活性も有することを明らかにした。さらに、SVCT2による輸送のナトリウム依存性を活用した、哺乳類培養細胞で尿酸排出活性を測定するための新たな実験系の構築にも成功した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] SVCT2/SLC23A2 is a sodium-dependent urate transporter: functional properties and practical application.2023

    • 著者名/発表者名
      Toyoda Y, Miyata H, Shigesawa R, Matsuo H, Suzuki H, Takada T.
    • 雑誌名

      J Biol Chem

      巻: 299 ページ: 104976

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2023.104976.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Vitamin C transporter SVCT1 serves a physiological role as a urate importer: functional analyses and in vivo investigations.2023

    • 著者名/発表者名
      Toyoda Y, Miyata H, Uchida N, Morimoto K, Shigesawa R, Kassai H, Nakao K, Tomioka NH, Matsuo H, Ichida K, Hosoyamada M, Aiba A, Suzuki H, Takada T.
    • 雑誌名

      Pflugers Arch

      巻: 475 ページ: 489-504

    • DOI

      10.1007/s00424-023-02792-1.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 細胞膜トランスポーターによる尿酸・ビタミンCの体内動態制御2023

    • 著者名/発表者名
      高田龍平、豊田優、宮田大資
    • 学会等名
      日本膜学会「第45年会」・「膜シンポジウム2023」合同大会
    • 招待講演
  • [学会発表] トランスポーターによる尿酸・ビタミンCの体内動態制御2023

    • 著者名/発表者名
      高田龍平、豊田優、宮田大資
    • 学会等名
      第2回生命金属科学シンポジウム
    • 招待講演
  • [図書] 膜(細胞膜トランスポーターによる尿酸・ビタミンCの体内動態制御)2024

    • 著者名/発表者名
      宮田大資、豊田優、高田龍平
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      日本膜学会
  • [図書] 日本栄養・食糧学会誌(ビタミンCの体内動態制御機構の温故知新―ついに見出された哺乳類の排出型輸送体VCEP)2023

    • 著者名/発表者名
      豊田優、宮田大資、高田龍平
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      日本栄養・食糧学会
  • [備考] 自己紹介(研究室ホームページ内)

    • URL

      https://plaza.umin.ac.jp/~todaiyak/t_takada.php

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公開日: 2024-12-25  

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