近年、老齢個体において“老化細胞”が蓄積し、その分泌性因子を介して加齢関連疾患を引き起こすと考えられている。我々は毛包において組織幹細胞を起点とする毛包の再生と老化を司る幹細胞分裂プログラムが存在することを見出したことから、他の器官においても同様のプログラムが存在するのか探索を行った。その結果、表皮においても再生型とストレス反応型の幹細胞分裂によって幹細胞プールを維持しており、DNA二本鎖切断を獲得した表皮幹細胞は細胞老化に陥るものの蓄積することな体表面から排除されていることが判明した。以上のことから複数の器官においてその再生と老化を司る幹細胞分裂プログラムが存在することが判明した。
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