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2022 年度 実施状況報告書

サルコメアは回転トルクを生み出すか?

研究課題

研究課題/領域番号 22K19407
研究機関宮崎大学

研究代表者

武谷 立  宮崎大学, 医学部, 教授 (50335981)

研究分担者 鹿毛 陽子  宮崎大学, 医学部, 助手 (30776688)
三浦 綾子  宮崎大学, 医学部, 助教 (70710903)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワードアクトミオシン / アクチン / サルコメア
研究実績の概要

生物の基本単位である細胞にとって、「力」はさまざまな動的機能の遂行に必須である。細胞内の「力」の発生装置でも、最も効率的でかつ広範に使用される装置の一つが、アクトミオシンである。本システムは、細胞が分裂する際の分裂溝の陥入や、細胞外基質への接着、そして細胞遊走といった細胞単位での動的機能に必須であるだけでなく、収縮に特化した筋細胞では規則正しいサルコメア構造をとることで、効率的に強い収縮力を得ることが出来、運動から呼吸・循環といった個体としての生命機能の本質を担っている。このアクトミオシンの相互作用は、アクチン線維の長軸方向に沿った強い収縮力を発生するのとは別に、アクチン線維軸回りのトルクをも生み出すことが示されている。これはアクチン線維の右巻き二重らせん状構造というキラリティに由来する。しかし、アクチン線維とミオシン線維が規則正しく配列した横紋筋サルコメアでは、アクチン線維はZ線を挟んで対称性に互いに反対方向を向いて位置するため、サルコメアにおける正味の回転トルクは打ち消されてしまう。その結果、サルコメア全体としては長軸方向の収縮力だけを生み出す。しかしながら、ある特定の条件下において回転トルクが解消されない場合には、一方向性のねじれを生じる可能性が想定される。本研究では、生体内におけるサルコメアの回転トルクが解消されない場面の探索をすすめ、その生理的場面における回転トルクの意義の解明を目指している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アクトミオシン収縮装置であるサルコメアが非対称な形態をとった場合に、収縮と同時に回転トルクを生み出しているかどうかを培養細胞等を用いて検証を進めている。ねじれ成分の検出感度を上げるために、単細胞だけでなく細胞集合体や組織としてのねじれの検出を試みている。

今後の研究の推進方策

培養した単細胞レベルでなく細胞集合体や組織レベルでのねじれの検出が可能となれば、発達過程における臓器レベルの解析の実現可能性が期待できる。また、得られた実験データと理論計算データを統合化して、生体内におけるサルコメアの回転トルクの生理的意義の解明を目指す。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19等の影響により実験動物の繁殖等に影響があったが、今後は5類感染症移行により状況は改善すると見込まれる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] elective optogenetic activation of NaV1.7-expressing afferents in NaV1.7-ChR2 mice induces nocifensive behavior without affecting responses to mechanical and thermal stimuli.2022

    • 著者名/発表者名
      Maruta T, Hidaka K, Kouroki S, Koshida T, Kurogi M, Kage Y, Mizuno S, Shirasaka T, Yanagita T, Takahashi S, Takeya R, Tsuneyoshi I.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 17 ページ: e0275751

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0275751

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Extracellular signal-regulated kinase phosphorylation enhancement and NaV1.7 sodium channel upregulation in rat dorsal root ganglia neurons contribute to resiniferatoxin-induced neuropathic pain: The efficacy and mechanism of pulsed radiofrequency therapy.2022

    • 著者名/発表者名
      Hidaka K, Maruta T, Koshida T, Kurogi M, Kage Y, Kouroki S, Shirasaka T, Takeya R, Tsuneyoshi I
    • 雑誌名

      Molecular Pain

      巻: 18 ページ: 1-12

    • DOI

      10.1177/17448069221089784

    • 査読あり
  • [学会発表] 肥大型心筋症の原因遺伝子FHOD3の病原性変異がもたらす機能的変化2022

    • 著者名/発表者名
      坂田鋼治, 鹿毛陽子, 武谷立
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
  • [学会発表] Forminファミリータンパク質Fhod1による肺胞マクロファージの方向性細胞運動の制御2022

    • 著者名/発表者名
      三浦綾子,武谷 立
    • 学会等名
      第96回日本薬理学会
  • [学会発表] 心筋症におけるフォルミン蛋白質FHOD3変異の意義と分子病態2022

    • 著者名/発表者名
      坂田鋼治, 鹿毛陽子, 武谷立
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会

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公開日: 2023-12-25  

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