研究課題
挑戦的研究(萌芽)
D-アミノ酸のうち、D-セリンはL-セリンによるミトコンドリア内の一炭素代謝を抑制することにより、細胞増殖を抑えることを明らかにした。神経発達において、セリンの代謝はL-セリン合成からD-セリンに切り替わる時期に神経細胞では細胞増殖能を失うことから、このようなセリンの光学異性体の切り替えは、神経の機能的成熟と関連していることが考えられた。
生化学
神経成熟には、増殖や分化から神経伝達へ機能的な変化があるが、それに伴って細胞内のセリン代謝がどのように変化するかこれまで知られていなかった。本研究の達成により、セリン代謝がL-からD-へと変化することが、神経機能に応じた代謝の変化であることが判明し、神経の代謝と機能を繋ぐ理解が深まることが予想される。