研究課題/領域番号 |
22K19409
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
福田 篤 東海大学, 医学部, 講師 (00638091)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | ヒト多能性幹細胞 |
研究実績の概要 |
本年度は、一部の株におけるsingle cell RNA-sequencing(scRNA-seq)解析を追加実施すた。使用する株を増やすことで、データの補完を行いより堅牢なデータ解析を目指した。scRNA-seq解析から、特定の株において、極めて強いエピゲノム異常を示すことが明かとなっている。エピゲノム異常は、ゲノム脆弱性とのリンクが示唆されていることから、強いエピゲノム異常をもつ株に着眼してデータ解析を進める。 また、使用するヒト多能性幹細胞においては、Exomeデータが取得されていることから、変異解析や核型解析などを平行して実施することで、scRNA-seqデータとの相関解析を行う予定である。 さらに、転写状態を特定の遺伝子ユニット(module)に着眼するパイプラインが完成し、scRNA-seqデータから特定の状態に着眼したscore化が出来ている。これらを拡張させることで、最終目標である転写からゲノム脆弱性を判定するpused-scoreを算出する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
懸念事項であったscRNA-seq解析によるデータ補完が順調に進んでいる他、scRNA-seqデータからエピゲノム異常の程度を判定可能な解析パイプラインが完成している。これらのデータを基に、ゲノムデータとの比較解析を行い、ゲノム脆弱性のpseudo-score化を目指す体制が整いつつある。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、scRNA-seqデータ解析を実施する。データ量が膨大なため、計算リソースの確保等に時間が要することが予想される。外部サーバーのレンタル等を視野に入れつつ、解析を進める。 ゲノム安定性の指標として、特定の遺伝子moduleに着眼する。各パラメーターからのmodule scoreを算出させることで、ゲノム脆弱性の株と比較解析し、どのような傾向があるかを明らかにする。様々なmodule scoreを計算させることで、最も相関性の高いmoduleを同定し、転写状態から予測するゲノム安定性の指標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、実験に使用する試薬を複数回に分けて購入する予定で概算を出したが、必要な量を一括して購入する方法に変更したため、当初計画より経費を大幅に節約することができ、未使用額が発生した。未使用額分は、次年度以降の研究発展に必須である分子生物学的解析やデータ解析に必要な機器等の購入に補填する。
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