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2022 年度 実施状況報告書

新規自然リンパ球の同定とその機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K19440
研究機関九州大学

研究代表者

小泉 真一  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (70636547)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワード自然リンパ球 / インフルエンザウイルス
研究実績の概要

申請者はこれまでに、インフルエンザウイルス感染時に既存の自然リンパ球集団に属さないLineage marker陰性・IL-7受容体陽性の細胞が感染7日後に著しく増加することを見出していた。そこでこの細胞が新規自然リンパ球なのではないかという仮説の元、詳細な解析を行った。
インフルエンザウイルス未感染・感染2日後・感染7日後のマウスの肺より細胞を単離し、CD3陰性B220陰性IL-7受容体陽性の細胞集団をソーティングし、scRNA-seq解析を行った。その結果、ウイルス感染によって誘導される、Fscn1/CD200/PD-L1/CCR7/CXCL16共陽性の細胞集団が見出された。この細胞集団の詳細を文献により確認したところ、最近になって注目を浴びている新規樹状細胞サブセットであるDC3(またはMregDC)と酷似した細胞集団であることが分かった。また、この細胞以外に、好塩基球もIL-7受容体を発現しているものがごくわずかでは存在することがあきらかとなり、リンパ球マーカーとして使用されるIL-7受容体の発現が、ミエロイド細胞でも誘導されうることが分かった。
実際にインフルエンザウイルス感染マウスの肺から細胞を単離しFlow cytometory解析を行うと、このDC3様細胞集団は著明に増加し、IL-7受容体を発現していた。DC3は一般的にがんで誘導され、エフェクター様細胞傷害性T細胞の生存と局所での増殖を制御するとされる。この細胞にIL-7受容体が発現していることは驚きであり、その生理的な意義に関しての解析は非常に興味深いと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り、インフルエンザウイルス感染マウスの肺より目的の細胞を単離し、解析を行うことができた。残念ながら仮説にあった新規自然リンパ球を同定することはかなわなかったものの、興味深い細胞集団を同定することができたため、おおむね順調に進展しているとした。

今後の研究の推進方策

次年度は予定通り、IL-7R-cre/Rosa26-LSL-tdTomatoマウス(IL-7受容体発現運命追跡マウス)を用いて、IL-7受容体の発現を失った細胞集団において新規自然リンパ球の探索を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

効率よく実験を進めることができたため、研究費の使用が予想以上に抑えられ、次年度使用額が多くなった。繰越せた分の研究費を用いて、さらに多くのscRNA-seq解析を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Analysis of fibroblasts that initiate iBALT formation during influenza virus infection.2022

    • 著者名/発表者名
      1.Shin-ichi Koizumi, Eriko sumiya, Naoto Noguchi, Satoshi Kojo, Shinichiro Sawa
    • 学会等名
      第51回日本免疫学会学術集会,熊本.

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公開日: 2023-12-25  

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