主要な炎症性腸疾患(IBD)であるクローン病と潰瘍性大腸炎は、原因不明の希少難治性疾患である。IBD患者では腸内細菌の異常が顕著である。そのためディスバイオーシスが疾患の増悪因子と見なされてきたが、その病態メカニズムは長年に亘り未解決である。申請者は、異なる飼育場から出荷された同一系統のマウスが、異なる大腸炎感受性を示すことを見出している。そこで本研究では成育環境による腸内細菌の違いに着目して、ディスバイオーシスが腸炎感受性に与える影響を検証した。その結果、腸炎感受性の高い飼育場由来のマウスはバリア機能を低下させる細菌種が存在することが明らかとなった。
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