グアニン四重鎖(G4)安定化化合物(G4リガンド)による翻訳抑制の標的特異性と制がん分子機構の解明を目指し、以下の成果を得た。まず、G4リガンド感受性がん細胞にG4リガンドを処理したときに絶対量が減少または翻訳効率が低下するタンパク質群は、遺伝子コード鎖の5’非翻訳領域におけるG4形成配列密度が高いことが判明した。これらのタンパク質群には翻訳やリボソーム生合成に関与する因子が多く含まれており、G4リガンドを処理したがん細胞株では時間依存的にタンパク質生合成が抑制されることが見出された。以上より、G4リガンドはRNA G4を過度に安定化することで翻訳を抑制し、制がん効果を発揮すると考えられた。
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