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2022 年度 実施状況報告書

シングルセルグライコミクスによる膵がん幹細胞糖鎖マーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K19471
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

舘野 浩章  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30450670)

研究分担者 下村 治  筑波大学, 医学医療系, 講師 (60808070)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワード膵癌 / 1細胞 / 糖鎖
研究実績の概要

膵がんの5年生存率は未だ10%未満であり、新たな治療診断技術の開発が世界中で切望されている。細胞の最表層に存在する糖鎖はがん化に伴い劇的に変化することから、新たな創薬標的として期待されている。申請者らは最近、個々の細胞に発現する糖鎖とRNAを同時解析する世界初の技術(scGR-seq)を開発した。本研究では、scGR-seqを用いて患者由来膵がん腫瘍組織を解析することで、腫瘍組織を構成する個々の細胞に発現する糖鎖発現とRNA発現情報を取得するとともに、がん幹細胞の新たな糖鎖マーカーを同定することを目的とする。本研究によって同定したがん幹細胞糖鎖マーカーは、膵がんの新たな創薬標的として医療応用を目指す。本年度はまずドロップレット技術をscGR-seqに導入することで、1万個の単一細胞を一斉解析する技術を構築した。そして膵癌細胞株と正常膵管細胞の解析を行い、得られたデータをフローサイトメトリーで得られたデータと比較検証した。その結果、scGR-seqで得られたデータは、フローサイトメトリーで得られた結果と高い相関を示すことがわかった。構築したドロップレット型scGR-seqを用いて膵癌オルガノイドの解析を行った。次世代シーケンス解析で得られたデータを用いて、現在データ解析中である。さらに膵癌患者検体からシングルセル化する方法を検討し、高い生存率で細胞を回収する技術を構築した。そして、得られた細胞を用いてscGR-seq解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

既に膵癌患者検体のscGR-seq解析を行い、NGSで解析中であり、予定通り研究が進んでいる。

今後の研究の推進方策

膵癌オルガノイド(n=3)、及び膵癌患者検体(n=3)のデータ解析を行い、癌幹細胞様細胞の糖鎖マーカーを同定する。

次年度使用額が生じた理由

使用する消耗品等を予定していたよりも安価に購入できたため。残額は次年度使用することで、計画以上の成果を出せるように使用する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (6件) (うち招待講演 5件)

  • [学会発表] シングルセルグライコミクスによる糖鎖研究の加速2022

    • 著者名/発表者名
      舘野浩章
    • 学会等名
      第16回東北糖鎖研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] Integrated analysis of glycan and RNA in single cells2022

    • 著者名/発表者名
      舘野浩章
    • 学会等名
      Sialoglyco2022
  • [学会発表] 早期膵癌の診断を実現する新規糖タンパク質マーカーの開発2022

    • 著者名/発表者名
      舘野浩章
    • 学会等名
      第41回日本糖質学会
    • 招待講演
  • [学会発表] シングルセルグライコミクスを実現する新技術scGR-seqの開発2022

    • 著者名/発表者名
      舘野浩章
    • 学会等名
      第19回日本糖鎖科学コンソーシアム
    • 招待講演
  • [学会発表] 創薬/再生医療に貢献するシングルセル糖鎖解析技術の開発2022

    • 著者名/発表者名
      舘野浩章
    • 学会等名
      2022年度東日本スクリプス会
    • 招待講演
  • [学会発表] シングルセルグライコミクスによる創薬・再生医療の加速2022

    • 著者名/発表者名
      舘野浩章
    • 学会等名
      発酵と代謝研究会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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