本研究では、加齢に伴い末梢血T細胞において蓄積される遺伝子変異を同定し、これらの変異遺伝子を野生型T細胞に付加することにより、その長期生存能を高め、同細胞から作製される抗腫瘍T細胞が持続的な治療効果を誘導できるという仮説を立て、以下の研究計画を立てた。加齢に伴う遺伝子変異として、TET2、DNMT3Aに加え、DUSP11を抽出した。DUSP11遺伝子をノックアウトさせたT細胞及びCAR-T細胞は、TET2やDNMT3AノックアウトT細胞とは異なり、未分化性(長期生存能)の促進が認められなかった。さらに細胞増殖やサイトカインや細胞障害性因子の産生能や細胞障害能についても影響が認められなかった。
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