本研究では光学顕微鏡で比較的簡便に組織の微細構造を解析できる膨張試料顕微鏡法を用いて、神経細胞の「活動」に関する情報と「構造」に関する情報を統合することを目的とした。このため、幼虫中枢神経系に膨張試料顕微鏡法を適用し、100 nm程度の分解能を達成し、全神経細胞を染色したサンプルから単一の軸索・シナプスの構造を撮影することを可能とした。さらに、光変換カルシウムセンサーCaMPARI2と組み合わせることで、神経系の微細構造と活動強度を関連づけることが可能となった。以上の研究により、膨張試料顕微鏡法を用いて構造と神経活動を関連づける基盤を構築することができた。
|