本研究で開発した、改変AAVベクターを利用した疾患関連遺伝子の全脳的な発現制御による遺伝子改変霊長類の作出法は、発生工学的な作出に困難が伴う霊長類の遺伝子改変疾患モデルをより簡便に作出することを可能とし、複数の遺伝子の同時操作など様々な応用に繋がるものである。また、AIを利用したサルの行動解析法は、サルの正常・異常行動を定量的・客観的・迅速に解析でき、様々な疾患モデルに適用出来る画期的な行動解析プラットフォームに繋がるものである。これらのことから、本研究成果は遺伝子改変霊長類疾患モデル動物の作出とその評価を促進し、精神・神経疾患の病態解明と治療法の開発に極めて大きく寄与するものと考えられる。
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