研究実績の概要 |
本年度は,TDP-43標的核医学イメージングプローブの開発に向けて, プローブ候補化合物の設計・合成を行った。これまでに申請者は,βシート構造を有するアミロイドβ,タウ,αシヌクレイン凝集体に結合性を示すプローブの開発を行ってきた(Ono et al., Med Chem Commun, 6, 391-402, 2015).これら化合物およびその誘導体は,βシート構造を有するTDP-43凝集体にも結合性を示すことが期待される(Shuster et al., J Phys Chem B, 125, 3781-9, 2021).そこで本研究では,申請者らがアミロイドβ凝集体に結合性を示すことを報告しているBODIPY誘導体のBAP-1 (Ono et al., ACS Chem Neurosci, 3, 319-24, 2012)をリード化合物として選択し,様々なBODIPY誘導体を設計・合成した.合成したBODIPY誘導体とアミロイドβ凝集体との結合性を評価したところ、凝集度に依存した蛍光強度の上昇が確認されるという興味深い結果が得られた.また,BAP-1およびBODIPY誘導体に関して,既報のTDP-43凝集体(7PY2)(Arseni et al., Nature, 2022, 601, 139-43)とのドッキングシミュレーションを行ったところ,高い結合性を示唆する結果が得られた.
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